映画 – クラウド アトラス

哲学宗教宇宙的

映画「クラウド アトラス」のレビュー、感想、評価です。

評価

★★★★☆

クラウド アトラス ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]

(補足)
★★★★★ 素晴らしい、また観たい。何回も観るほど良くなる。
★★★★☆ なかなかいい。もう一回観るかはわからないが満足。
★★★☆☆ 普通。二回は観ない。
★★☆☆☆ 観なくても良かった。
★☆☆☆☆ 時間の無駄だった。

予告トレーラー

あらすじ

1849年、太平洋諸島。若き弁護士に治療を施すドクター・ヘンリー・グース(トム・ハンクス)だったが、その目は邪悪な光をたたえていた。1973年のサンフランシスコ。原子力発電所の従業員アイザック・スミス(トム・ハンクス)は、取材に来た記者のルイサ(ハル・ベリー)と恋に落ちる。そして、地球崩壊後106度目の冬。ザックリー(トム・ハンクス)の村に進化した人間コミュニティーのメロニム(ハル・ベリー)がやって来て……。

(シネマトゥデイより引用)

感想(ネタバレ含む)

それぞれ6つの物語をまとめようかと思いましたが、それはどこにでも書いてあるのでWikipediaにお願いする事にします。

感想を率直に言うと期待していたほどではなかったです。期待というのもやはりマトリックスからきてしまうのだけれども。もっとすごく考えさせられる映画なのかなと期待していたので。

一番この映画のキモとなるのは映画の構成で、6つの物語を織り交ぜてみせるという所。映画の冒頭で編集者の彼が「それが物語上必要な手法」と言っている事もあって。でもそれによってどこの物語のどこがや誰がというのを関連付けたりするのに役に立ったとしても、あれはこことこう繋がってるのか〜くらいの発見しか無い。言ってみれば何回か観てそれを見つける事ができたら目的は終わってしまう気がした。全部つなげたらあっと驚く一つの展開が最後に待ってる訳じゃなかったし。メメントみたいに。

物語も結局6つを約3時間くらいで割る訳だから1物語あたり時間的に見れば30分くらいの内容しかない。それを絡めた事によるシナジーはあるにしてもどうも深いとは言いにくい。考えるというよりは観て楽しむタイプの映画だったと感じた。愛とか人との繋がりとかテーマもシンプルでわかりやすいものが多かったし。輪廻転生の多少宗教、哲学的な所はあったにしても、それも簡単に言えば繋がりを表しているわけで。

でも個人的には他の所で楽しめて、気になったのは「不滅の魂」という言葉が何度か出てきた所でしょうか。あとはもう一つのテーマである「己が正しいと思うことを為す」という所。(あとはフロビシャーとシックススミスの同性愛や青年愛)これらから連想せずにいられないのはソクラテス。(そういう意図があったかは知らないけれども)

ソンミも負け戦だとわかっていたのにあの決断をした。負けるとわかっていても、自分で為すべき事を貫いた。例えそれが死を招こうとも。仮にそれを為さずして魂に嘘を付き死を免れて、生に固執する事に価値があるのか。清らかな魂のために、己の信じる事を行い、死すことさえ厭わないと。そういう点でソクラテスとの共通点を感じました。

そしてこの物語は全部パラレルワールドなのかなと思っていたらそうでもなさそうな気がしたのですがどうなんでしょう。全部のストーリーが同時進行してるわけじゃなく、(見せ方は同時進行してるのかもしれないけど)輪廻転生してるだけであって、魂が受継がれて、繰り返されているんだと思ったのですが。パラレルワールドだとしたら魂を受継いで不滅って考えもなんかしっくりこないし、同じ魂が何個も存在しちゃう事になりそうだし。でも時代を戻って影響?もしてるしそれは輪廻転生と言えるのかという疑問と、そしたらパラレルワールドなのかなとか…ということでもう一回見ないとやはりその部分はわからないかなと。その辺に詳しい方教えて下さい!

マトリックスとの共通点探すのも意外な楽しみでした。ヒューゴ・ウィーヴィングとか、ヒューゴ・ウィーヴィングとか、ヒューゴ・ウィーヴィングとか!!でもネオ・ソウルってネーミングも、ネオ!ってなっちゃったし。それにヘジュの雰囲気も結構ネオと似てたし。ネオ・ソウルでクローンが再利用されてるのもマトリックスでの人間が生産されてるのと似てたし。ネオ・ソウルの乗り物もネブカドネザル的なホバー?っぽい形式で動いてたし。

そしてベン・ウィショーが格好良過ぎでしたね。あの髪型ずるい。でもよく見るといやらしそうな顔してたね。そしてあの時代背景の服装がたまらなかったです。シックススミスのおじいちゃんも渋かった。あとはヒューゴ・ウィーヴィング演じるメフィー評議員が、品川庄司の庄司に見えました。

あとは一つ感動した演技は、ザックリーの妹が、子供が魚の毒で瀕死の時に息を吹き返した時の演技。まず始めに笑いのような嬉しさが爆発してから、号泣するっていう所がすごくリアルな感じがしてあれにぐっときた。

ということで前半散々言いましたが観て楽しい所はたくさんある映画でした。

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