映画 – ドライヴ

最高にクールなグローヴを付けた最高にクールな寡黙ドライヴァーの、最高にクールな復讐劇

映画「ドライヴ」のレビュー、感想、評価です。
ネタバレする映画ではないですが、演出に関しての記述があるので、そこを見たくない方は、「感想」まででお願いします。その下に「感想(ネタバレ)」が続きます。

評価

★★★★★

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(補足)
★★★★★ 素晴らしい、また観たい。何回も観るほど良くなる。
★★★★☆ なかなかいい。もう一回観るかはわからないが満足。
★★★☆☆ 普通。二回は観ない。
★★☆☆☆ 観なくても良かった。
★☆☆☆☆ 時間の無駄だった。

予告トレーラー

あらすじ

昼はスタントマン、夜は悪党を逃がすドライヴァーをする主人公(ライアン・ゴズリング)。同じ階に住む子持ちの人妻アイリーン(キャリー・マリガン)と恋に落ちる。そんな幸せな時間も束の間、アイリーンの夫が刑務所から出所してくる。夫はまだいざこざを抱えており、その問題を解決するため主人公は夫に手を貸し彼のドライヴァーを引き受ける。しかし計画は思わぬ方向に向かい主人公は事件に巻き込まれていく…

感想

めちゃくちゃによかったです。

この映画にサスペンス的な要素や、最後にあっと驚くどんでん返し、ストーリーの巧妙さを求めるならばそれは違うような気がします。実際ストーリーに関しては特に感心する所はありません。宣伝でもそこまでそれを推している訳ではなく、やはりクールさを推しています。全ては見せ方、雰囲気、演出です。

感情的に観る人を引き込む映画です。それが音楽であり演出だというのがこの映画の一番の所のような気がしました。

展開にもメリハリがすごくある。前半は恋愛系の哀愁やときめき感を漂わせたかと思いきや、後半はやりすぎなくらいの残酷さで締め上げてる。

主人公は寡黙であまり映画で観ないタイプの主人公でそれがまた渋い。そしてどことなくTravis Barkerに似ている。ヒロインも美人系じゃないけど、なんていうかどうしようもないかわいさがあって犬で例えるならばチワワ。

いい映画には残酷な要素が入ることが多い気がする。それは多分残酷さっていうので観る人の感度が上がる気がする。残酷さにハラハラしている敏感な所に、なにか他の伝えたい要素がいきなりくると、それが普段にも増して感じられる。この映画でいうと、愛がそれにあたるのかもしれないです。他にはかっこよさとか。

観終わったあっとに数日この映画の空気感で余韻を引きずるようなとてもいい映画でした。

感想(ネタバレ)

ネタバレというほどでもないですが、観る人自身で見つけた方がぐっとくる演出という意味でのネタバレです。

映画の中で何回か主人公がアイリーンの息子とまばたきでやりとりするという演出があります。最後主人公が死んでるのか生きてるかわかんない状態で目を開けたまま、かなり長い時間を取るカットがあります。死んだのか?!生きてるのか?!ってはらはらしてる所にあのまばたきがくるわけです。それにしびれました。

あとは最後悪党バーニーと刺し合いをして、同士討ち、どっちが死んだ?!って時に二人の影のカットになるわけです。影の一人が倒れ落ちますが、倒れていない方の人の影の後ろポケットからは何かがぶら下がっています。それがいつも主人公が付けているあのグローヴです。その辺の演出もたまりませんでした。

そしてエレヴェーターの中でのシーン。悪党から遠ざけるように片腕でアイリーンをエレベータの端に寄せる。しかもノールック。あれにキュンとこないやつが男でさえいないことがあろうか!いな、いない訳がないのである!!

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