映画 – アニマル・キングダム

弱肉強食の家族に放り込まれた少年

映画「アニマル・キングダム」のレビュー、感想、評価です。

評価

★★★★☆

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(補足)
★★★★★ 素晴らしい、また観たい。何回も観るほど良くなる。
★★★★☆ なかなかいい。もう一回観るかはわからないが満足。
★★★☆☆ 普通。二回は観ない。
★★☆☆☆ 観なくても良かった。
★☆☆☆☆ 時間の無駄だった。

予告トレーラー

あらすじ・解説

実在の犯罪一家をモデルに1人の少年の葛藤と成長を描いたクライムドラマ。オーストラリア、メルボルンに暮らす17歳の少年ジョシュアは、母の死により祖母ジャニーンの家に引き取られるが、その家に住む親族は強盗や麻薬売人などの犯罪者ばかり。真面目だったジョシュアも徐々に犯罪の世界へ引きずり込まれていく。一家を束ねる祖母ジャニーン役を演じたジャッキー・ウィーバーが、2010年・第83回アカデミー助演女優賞にノミネートされた。監督はナタリー・ポートマン製作・主演の「メタルヘッド」で脚本を手がけ、本作が初メガホンのデビッド・ミショッド。

(映画.comより引用)

感想

B級かと思ってあまり期待しないで借りたら、全くそんな事なくいい意味で期待を裏切られました。

少年は環境を選べないっていうのがすごく共感できた。環境はその人の人格を形成する上でも本当にファンダメンタルなものだと思うので。まだなにも自身の道徳や価値観が形成されていない状態の少年にとっては、一番身近な環境からそれらを学ぶしかないし、それらが否応無しに彼らを形成することもあり得る。そういう中で環境に適応しようとする少年の姿は、極端な例だったと言えども誰にも当てはまることなんじゃないかと。

残酷なシーンもあるわけではないけど、ずっと張り詰めた空気が流れて、一番悪い伯父さんのポープの威圧感と言ったらなかった。見た目もタトゥーを全身にいれてとか、そんなんじゃなくて見た目は普通のおじさんなのに。普通感がある中で発揮される時に発揮される狂気がすごく鋭くて余計に怖さを感じさせる。

主人公の青年は、母親が死んでも泣くこともないくらいだし、ずっと無表情で何を考えてるかわからなくて、でも今いる場所に適応しなきゃっていう気持ちは見ているこっちにも伝わって、それが何か辛かった。そして彼の泣く演技が半端じゃない。

そしてガイ・ピアースがかっこいい。

感想(ネタバレ)

ラストにすごいオチを期待してたわけじゃなかったから、この映画のオチにはびっくりした。オチというか決断と言った方がいいのか。主人公の意志がオチとなる映画はあんまり見た事無かったから新鮮だった。

映画の随所で誰かが青年に何か飲む?と聞くけど、青年の答えは決まって、いらない。それが後半で自分から飲み物をねだる展開がある。そのあたりで青年の心境に変化が感じられて、そこで青年は自分の居場所はどこなのかの決意をしたのかもしれない。

最後のポープ伯父さんを殺して、自分をはめようとしたおばあちゃんなのに彼女を優しく抱きしめるシーンは、自分の場合は安心感を感じてしまった。結局自分も犯罪を犯してしまったわけだけど、ポープという彼らの王国で一番に君臨していた強者がいなくなって。それに青年は自身の復讐も果たせたわけだし。それにおばあちゃんはどうかわからないけど、ダレン伯父さんの方はポープがいなくなって安心した感じを感じられなくも無かった。彼もポープのやり方にはあまり共感してなかっただろうし。

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